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シロアリについて(防腐・防蟻処理)

 

家を建てた事がない方でも「シロアリ(蟻害)」については知っている方は多いと思います。

 

シロアリは湿気を好みますので前回お話しました雨漏りや結露によって構造体が濡れてしまい、
木造住宅の構造的に重要な部分である土台や柱などを食べてしまいます。

 

木造住宅を建てる場合はシロアリ対策として建築基準法にて「防腐処理」が必要であると定められています。


ただ明確な対応までは記載がないため、現在ではフラット35(旧住宅金融公庫)等で土台の耐久性区分や

防腐・防蟻処理の対応が規定されています。

 

一般的には地面から1m以内の高さの部分外周部分(土台、柱、合板などの下地材)には防腐・防蟻処理を行っています。

 

この防腐・防蟻処理には「薬剤」による処理と「耐久性の高い樹種の使用」というものがあります。

 

「耐久性の高い樹種」というのは土台や柱などの構造体がメインのお話になりますが、
フラット35ではヒノキやヒバ、ケヤキなどの樹種が定められています。

 

「薬剤」に関しましては防腐・防蟻処理剤として使用が認められているアレスリン(合成ピレスロイド)、

イミダクロプリド(ネオニコチノイド)、シプロコナゾール(トリアゾール)などがあります。


これらは持続効果が短く最大で5年間になりますので5年毎に処理が必要になります。

 

防腐・防蟻処理剤でもうひとつホウ酸系の薬剤があります。


最近流行ってきている全館暖房(某社のZ空調のような商品)などで床下を利用した換気や冷暖房を行う場合は

こちらの商品を使用する事が多いと思います。

 

ホウ酸は古くから使用されているゴキブリ用のホウ酸団子が良い例ですが害虫への効果があります。

 

っと聞くと人体にも悪影響があるのでは?・・・と思いますよね(^^;

 

ホウ酸は鉱石から作られており天然素材のため人体にも影響はありません。
(過剰摂取したとしても肝臓で処理され排出されるようです)


人間をはじめとした哺乳類には安全で哺乳類以外には厳しく作用するため上記のような害虫に効果があるのです。


また揮発性がないので空気も汚さない安全性のある処理剤であると思います。

 

ただデメリットもあり水で溶けてしまう性質があるので雨掛かりなどには十分注意が必要です。

 

この防腐・防蟻処理剤に関しましてはホウ酸系のように安全性の高い商品が良いと思っておりますが、
使用する材料や工法などによって選定されても問題はないと考えております。