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気密性能について

 

断熱性能を向上させる上で、もう一つ欠かせない要素があります。

 

それは『気密性能』

 

またまた小難しい言葉が出てきましたが(^^;
簡単に説明しますと家の中にどれだけ「隙間」があるかを示すのが『気密』となります。

 

例えばバケツに水をいっぱいに入れてもバケツに穴が空いていたら水が漏れちゃいますよね。
なので穴が空いていれば水が漏れないように塞ぐと思います…あ、買い替えるというのは無しで(^^;

 

家に隙間があればそこから夏の暑い空気や冬の冷たい空気が家の中に自然と入ってきてしまいます。
暑いから、寒いからと言ってエアコンをガンガン使っても隙間からどんどん外気が入ってきますので
冷暖房効率が悪くなりランニングコストもかなり掛かってしまいます。

 

ですのでバケツと同様に家の中の「隙間」を塞いで空気が漏れないようにするのです。

 

ではどのようにして家に隙間があるかを調べるのか?

 

それは気密測定というものを行えば分かります。

 

気密測定は「隙間相当面積」を表すC値で確認します。

C値というのは建物全体にある隙間面積(cm2)を延床面積(m2)で割った数値で、

建物の気密性能の指標として用いられています。 

 

この値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高いという事を意味します。

 

C値を測定する気密測定は写真のように専門の気密測定試験機を使って行います。

 

バズーカ砲みたいな機器にファンが設置されていて室内の空気を外部に排出する事により建物内部が一時負圧となり、
家の中のいろいろな隙間から外部の空気が入ってきて、この時に生じる気圧差と風量から隙間相当面積C値を測定します。

 

私が設計する住宅のC値目標は0.3以下。

 

100㎡の延べ床面積の家とすると隙間面積は30㎝2。

これは家一軒の中で隙間の大きさが6㎝×5㎝程度という事になります。

 

普段気密測定を行っていないハウスメーカーや工務店さんの住宅を測定してみますとC値は2.0~5.0程度になるのでは
ないかと思われます。
上記と比べるとC値2.0で20㎝×10㎝の隙間の大きさ、C値5.0で25㎝×20㎝の大きさ。

 

大きさで比べると一目瞭然ですよね。

私のC値目標はかなり性能が高い数値という事がお分かりになると思います。

 

断熱性能を向上させても隙間があると外気がそのまま入ってきてしまい、断熱性能を発揮できない状態になります。

 

断熱性能と気密性能はどちらも必要不可欠なものなのです。

 

もし現在住宅をご検討されている方がいらっしゃいましたら検討中の住宅会社に、
まず気密測定を行っているか? 平均値でも良いのでC値はどのくらいか? をお尋ねしてみて下さい。

その質問に答えられる住宅会社であればまずは合格ラインだと思います。

もしも答えられなかったり、気密測定など必要ないという言うようなお話がある会社であれば…
もう一度ご検討して頂いた方が良いかもしれません。