· 

床材について(畳編)

 

日本には伝統的な床材である畳があります。

 

近年は昔ながらの真壁和室(化粧の柱が表しになっていて長押という装飾材がある和室)をめっきり見なくなりました。

(※私は昔ながらの和風建築が好きなのでとても残念なのですが・・・)

 

ただ昔ながらの和室ではなく現代のデザインに調和した和モダンのデザインが増えてきているので、

洋風やモダンなデザインの住宅でも洋室の中に畳床を設ける事も多くなっています。

 

耐久性、調湿性、断熱性、保湿性に優れた昔ながらの藁で作られた畳もありますが、

お手入れがとても大変でダニやカビが生じやすいため、

現在の畳はポリスチレンフォームに井草を織り込んだ畳表を貼り付ける断熱タイプの畳が多いと思います。

 

また根太(床の骨組みのような材)を使わない剛床の建物が増えてきているので畳の厚みも昔の50㎜程度のものから

15㎜程度のものが多く使われるようになっています。

そのため断熱材はフローリングと同じ床下に施工するので畳自体には不要になりますのでポリエチレンフォームではなく

木の繊維を板状に圧縮したインシュレーションボードとクッション材等に井草を張り付けるタイプが最近は主流となっています。

 

畳の表面は昔ながらの井草を使用したものが一般的な畳表ですが、畳製作当初は青々としていますが日焼けをして

黄色に変色していきます。

これは畳の部屋があったお宅に住んでいた方はよくご存じですよね。

 

この畳表の井草は2m程度に成長するのですが色味が良いのが真ん中になるので通常その真ん中の部分を使用しています。

この畳表の目を平行に見るのと垂直に見るのでは光の反射で明るく見えたり暗く見えたりします。

その効果を利用して平行と垂直の目の向きを交互に敷く方法を市松敷きと言います。

 

畳は通常一畳サイズと言って910㎜×1820㎜を基準に部屋の大きさで調整をするのですが、

半分のサイズの半畳の大きさもあります。

良く見かけるのは4帖半の畳を敷いた時の真ん中にあるサイズですね。

 

この半畳タイプの大きさで琉球畳などの縁がない畳を敷く場合は目の方向を互い違いに変えて上記の市松敷きに

して敷くと雰囲気がガラッと変わります。

 

さらに畳表は井草だけではなく和紙を使って加工した商品もあります。

 

DAIKENというメーカーでは和紙を加工してグリーンの他アイボリーやベージュ、ブラウン、ダークブラウンなど

多彩な色のラインナップがあります。

今まで畳と言えばグリーンのイメージがありましたが今は製造方法によって色のバリエーションも豊かになっています。