一級建築士製図試験 ランクⅢ及びランクⅣの検証

 

令和2年一級建築士製図試験の合格発表のランクの割合は、

ランクⅠ:34.4%、ランクⅡ:5.6%、ランクⅢ:24.3%、ランクⅣ:35.7%

と発表がありました。

 

ちなみに令和元年10月13日に受験された方の合格発表のランクの割合は、

ランクⅠ:36.6%、ランクⅡ:3.0%、ランクⅢ:29.2%、ランクⅣ:31.3% 

令和元年12月8日に受験された方の合格発表のランクの割合は、

ランクⅠ:34.2%、ランクⅡ:5.3%、ランクⅢ:31.9%、ランクⅣ:28.6% 

となっており、令和に入ってからはランクⅢとランクⅣの割合が多くなっています。

 

その中でランクⅢとなっている方の多くは「不適切なゾーニング」、すなわち足切りのある「空間構成」が不適合だと判断されていると考えられます。

 

またランクⅣの方の多くは近年必ず出題されている「直通階段に至る重複区間の長さ」、

「延焼のおそれのある部分の位置と防火設備の設置」など法令への重大な不適合と、

要求室の欠落や要求室の面積不適合などによるものと考えれらます。

 

特にランクⅣに関しては法令関係をエスキスや作図に追われて頭から抜けてしまっているという方も多いと思います。

しかし、ランクⅣがこれだけ多いという事はやはり法令の重大な不適合というのは採点の中でもかなり重く見られていると考えられますので、日ごろのエスキスや作図のトレーニング時に法令をしっかりと頭に入れて勉強を進める事が大切になります。

 

そしてランクⅢに関してはやはりゾーニング、「空間構成」をいかにしっかりとまとめられるかが極めて重要なポイントとなります。 

 

国土交通省が以前発表しました「一級建築士試験製図試験内容の見直しの具体的対応」から抜粋しますが、 

合格基準の設定に関し、配点構成を「空間構成(*1)」と「意匠・計画(*2)、構造、設備」に大別し、

「空間構成」に関し、足切り点を設定するものとする。 

 

とあるように「空間構成」の採点で足切りがあると明記されています。 

 

この状況を分析して考えてみますと、毎年合格発表の時に公表される合格基準等 

(採点のポイント、採点結果の区分、合格基準)の 

 

(1)空間構成 

①建築物の配置計画、②ゾーニング・動線計画、③要求室等の計画、

④建築物の立体構成等 

 

上記4項目をしっかりと計画する事が大切になります。