前回断熱材の種類などについてお話をさせて頂きました。
その断熱材を使って家の床、壁、天井(屋根)を断熱材ですっぽりとくるんで熱が逃げにくくすれば断熱性能が上がりますが、
実はもう一つ、一番断熱性能の向上を必要とする大切な部分があるんです。
それは家の中で一番温度差の弱点となる部分「窓」なんです。
今回は断熱性能の最重要対策ポイントであるこの「窓」について触れたと思います。
皆さんは今お住まいのお宅の窓の近くで冬場に冷気を感じる事ってないでしょうか?
リビングのソファーに座っている時やダイニングテーブルで過ごしている時はエアコンやストーブなどで暖かいと思いますが、
窓の横に座っていると窓側だけがヒンヤリとしている事ってあると思います。
それは外の寒い気温が窓の主にガラスから室内に伝わって中に冷気が侵入しているからなんです。
そもそものお話になりますが建物の壁って今の住宅ですと柱は4寸角(120㎜)か3.5寸角(105㎜)なので、
壁の中に50㎜~105㎜の断熱材が入っている事がほとんどだと思います。
そして今の住宅の窓のガラスはペアガラス(2枚のガラス)でガラス3㎜+中空層10㎜+ガラス3㎜というような構成になっています。
ここでまず一目両全なのは壁の厚みが105㎜で断熱材も壁の厚みそのままで入れたとして、
ガラスは3+10+3=16㎜・・・窓のガラス部分より壁の厚みの方が6.5倍もあります。
厚みだけを考えても断熱性能が壁の方が大きい事が分かると思います。
さらに以前少し触れましたて熱貫流率(※1)でも比べてみると、
前回お話しました断熱材で一般的に使われているグラスウールの数値が0.038、
窓の場合参考としてリクシルのサーモスLというサッシでペアのLow-Eガラス(※2)で数値が2.33
となり、窓がラスは壁の断熱材(グラスウール)よりも約61倍も熱を通してしまう事になります。
でもこれはまだ良い数値で10年以上前の家では数値が4.09以上…
なんと107倍以上も熱を通してしまう性能の窓を使用しているのです。
この数値から見ても冬場の外の冷気が窓を通って室内に入ってきてしまう事が分かりますよね。
そうなんです。
まさに「窓」は家の断熱性能の弱点なんです。
じゃあ「窓」は少ない方が良いのか・・・・・・・・・・・・違います。
次回さらに深くお話したいと思います。
※1:熱貫流率…熱がどれだけ通るかを示す数値。数値が低い方が断熱性能が良い材料となります。
※2:Low-Eガラス…ガラスの表面に特殊金属膜をコーティングしたもので遠赤外線の反射率を高めたもの。
ペアガラスの外側のガラスに使用する事でガラスとの間の中空層の放射による熱伝導を低減している。