
前回は「窓」が家の断熱性能の弱点である事をご説明しました。
じゃあ断熱性能が低い「窓」を少なくする、あるいは「窓」を小さくすれば寒くなくなるじゃないか!!
そう考える会社もあるようですが、実はそれは大きな間違いです。
数値で見れば断熱性能の低さは明らかですが、数値だけでは表せない「窓」の使い方があるのです。
本来「窓」というのは日差しの確保、通風の確保、解放感の確保などそこに住む人の生活に密着した、
住まいには必要不可欠な存在です。
窓を小さくしてしまうと、日差しも入らず、風も通らず、解放感がない暗くジメジメとした空間になってしまいます。
では、窓を小さくせず断熱性能を落とさないようにするためにはどうしたらよいか?
それは東西南北、方位によって窓の種類や大きさなどを変えるのです。
例えば南側は日差しを取り入れるために一番適した場所になりますので大きく窓を設置します。
東西側、特に西日は日差しが強いため小さめの窓にして、東側も朝の日差しが強い場合もあるので南側より小さめの窓にします。
北側は日差しを取り入れる事は難しく、冷気が入りやすいため小さい窓にします。
ただ必ず上記が当てはまるのかというと、そうではありません。
一般的な方位による窓の大きさの考え方であって敷地に対して真南ではなく南東や南西に向いている場合もあります。
また隣地の建物がどの位置に建っているかによっても影になる時間などを考慮する必要があります。
住まいを建築する予定の敷地状況に応じて窓の大きさ、種類を計画する事が重要なのです。
窓から日差しを取り入れられれば冬の暖房エネルギー負荷(エアコンやストーブなど)の軽減になります。
そうすると窓の断熱性能が壁より小さくても十分熱を取り入れる事ができるので部屋の中が暖かくなります。
夏場は日差しが強いため逆に日差しを遮る必要があります。
そのためには窓の上に庇が必要になります。
このように夏と冬とでは窓からの日差しの考え方が真逆になります。
この真逆の考え方をどのように対処すれば良いのかは、夏と冬の太陽の位置(高さ)に影響します。
では次回太陽の位置(高さ)が窓にどのように影響をおよぼし、どのような対策があるのか?を考えてみたいと思います。