日本の文化として住宅では玄関で靴を脱いで素足(靴下やスリッパを履く場合もありますが)になる
という習慣がありますので、外国の方よりも床材に直接肌が肌が触れる機会がとても多いですよね。
今回はその床材についてお話したいと思います。
床材というと一番に思いつくのはフローリングではないでしょうか?
フローリングといってもシート材、突き板、挽き板、無垢材など実に様々な種類があります。
ではそれぞれどのような素材なのか?
シート材とは
本物の木材ではなく木目がプリントされたシート(オレフィンなど)を基材(合板)に貼った床材。
本物ではないためとてもリーズナブルな価格ですが、触り心地などは良くないので
質感に拘らずになるべく安く仕上げたい場合に使用する事が多い商品です。
突き板とは
木材を薄くスライスして基材(合板)に貼った床材。
本物の木材を薄く貼り付けるためシート材よりも質感があり触り心地も若干良いですが、
厚みが0.3㎜程度とかなり薄いため剥離したり傷が付くと下地の合板が見えてしまったりします。
薄くスライスするため大量生産が可能ですので価格もリーズナブルです。
挽き板とは
突き板のように本物の木材を張り付けるのは一緒ですが、
こちらはスライスするのではなく回転する鋸刃で切り出すため2㎜程度の厚みを持たせることができます。
2㎜程度の厚みがあるので無垢材に近い質感と触り心地になります。
また基材が合板のため無垢材よりも木の反りや収縮などで変形しずらいというメリットもあります。
無垢材とは
木をスライスしたり基材に張り付けたりせず、木材そのもので加工する床材です。
自然素材ならではの質感で触り心地がとても良く素足で歩いた時に一番気持ち良さを感じると思います。
自然素材そのものですので反りや収縮による変形、傷が付きやすいためその自然素材が持つ味わいを
十分に理解する必要があります。
価格はシート材→突き板→挽き板→無垢材の順に高くなります。
それぞれ簡単に特徴を説明しましたが、では床材は何が一番良いのか・・・
それは住宅に何を求めるかによって変わってくると思います。
素材に拘りが無くなるべく安く家を建てたいと考えている方はシート材や突き板のフローリングで良いと思いますし、
日々生活する空間で床に寝そべったり、素足で歩くのが好きな方は床材の質感や触り心が良い挽き板や
無垢材を選ばれるのが良いと思います。
それぞれのメンテナンス方法や注意点がありますので、それを理解した上で決定して頂いた方が良いと思います。
私の設計ではお値段は一番高いのですが通常無垢材をお勧めしております。
これは自然素材の温もりを直接肌で感じて頂きたいからです。
シート材や突き板のフローリングでは味わえない本物の質感と風合い、そして優しい肌触りがとても気持ちが良く
日々の生活がとても豊かになります。
予算との相談にはなりますが是非無垢材の素晴らしさを味わって頂きたいと考えています。