前回は一般的に普及しているビニールクロスについてお話させて頂きました。
今回はビニールクロス以外に壁紙として使用される商品について考えてみたいと思います。
①紙クロス
その名の通り紙が素材のクロスでパルプを原料とした洋紙タイプや和紙のタイプ、ケナフなど非木材紙を原料としたタイプなどがあります。
紙素材のため通気性があり、紙の質感を生かして個性的で高級感のある壁に仕上げる事ができます。
ただしビニールクロスよりも薄く下地を拾いやすくので時間の経過と共に素材が膨張や収縮する可能性がありため、
目地が目立ってきたり、下地処理不足の場合凸凹が目立ってしまいますので施工には十分注意する必要があります。
②布クロス(織物クロス)
木綿・麻などの自然素材を使用したタイプやパルプ・レーヨンなどの化学繊維を使用したタイプ、シルク素材やサテン素材のタイプなどがあります。
仕上がりがとても高級感がありますのでホテルなどで使用される事が多い商品です。
破れにくく通気性もあり、布素材ならではの温かみがあり、高級感がある内装にしたい場合や落ち着いた重厚感のある仕上がりにしたい場合にはお勧めです。
防音室の壁にも採用される事がありますが、ビニールクロスと違って下地処理や継ぎ目の処理など慣れている職人さんでないと上手く仕上げるのは難しい商品なので注意が必要です。
また汚れが落としにくく、住宅用の内装材としてはあまり出回っていないというデメリットがあります。
③珪藻土壁紙・漆喰壁紙
珪藻土や漆喰といった無機質系素材を不燃性紙に施した商品で珪藻土や漆喰を塗ったような味わいのある仕上げになります。
本物の珪藻土や漆喰には及びませんが調湿や消臭の機能もあるのでお部屋を空気を綺麗に保つ事ができます。
ただし紙クロスと同様にビニールクロスと比べると薄いため下地を拾いやすく目地が目立ったり、下地処理不足の場合凸凹が目立ってしまいますので
施工には十分に注意する必要があります。
本物の珪藻土や漆喰に関しては後日詳しくお話したいと思います。
一般的に普及しているビニールクロス以外にも壁紙(クロス)と呼ばれる商品が他にもいろいろある事を知って頂けたかと思います。
ビニールクロスも同様ですが壁紙を貼る前には必ず下地処理(パテ処理)を行います。
これは下地(住宅では通常石膏ボードを使用しています)の継ぎ目やビスを打った部分があり、そのままクロスを貼ってしまうと凸凹の仕上げになって
しまいますのでパテでその凸凹をフラットにしてから壁紙(クロス)を貼ります。
この作業が壁紙(クロス)を綺麗に仕上げるために大切な作業となりますが、その前段階の大工さんによる下地がしっかりと施工されていないと
下地処理(パテ処理)だけではどうにもならない場合もありますのでとても重要な作業になります。
費用やメンテナンス、仕上がりや機能など素材、商品が持つ特性や性質をしっかりと見極めて選んで頂ければと思います。