令和2年7月22日に発表されました一級建築士製図試験課題の検討のさらに続きです。
今回は
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」と
建築基準法令に適合した建築物の計画(建蔽率、容積率、高さの制限、延焼のおそれのある部分、防火区画、避難施設 等)
を合わせて検証します。
これは法律関係の内容になりますが、実はここがものすごく重要なポイントになっていると私は考えています。
というのは毎年製図試験の合格発表と合わせて標準解答例が公表されますが、その標準解答例と共に「合格基準等」という
採点のポイント、採点結果の区分、合格基準が公表されます。
その中の採点結果の区分で令和元年の時はランクⅢ及びランクⅣに該当するものが多いという内容が記載されていました。
その中で延焼のおそれのある部分の位置(延焼ライン)と防火設備の設置、防火区画(特に吹抜け部の1階部分の区画)、直通階段に至る重複区間の長さなど法令への重大な不適合があるとしっかりと記載されているのです。
近年は延焼の恐れのある部分の位置と防火設備の設置、防火区画の表示が求められており、ここをしっかりと押さえておかないと
ランクⅢ及びランクⅣの一発不合格になってしまいます。
また以前から求められている「直通階段の至る重複区間の長さ」も最近は意外と軽視してしまっている方が多いように思います。
これは避難上とても大切な事で描き忘れてしまうと避難計画がまったくなされていないとみなされてしまいます。
そしてさらに(注2)に記載のある「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に規定する特別特定建築物の計画とすると
明言されています。
これは確実に「この法令の部分をチェックしますよ!」「しっかりと法令を遵守した計画をして下さいね!」
そうしないと「合格基準等の法令への重大な不適合になっちゃいますよ!!」と伝えているのです。
ですのでやみくもにエスキスを練習したり、図面を描きまくる前に、しっかりと今回の課題で求められている法令を理解して、
確実にエスキス及び図面に反映できるようにまとめる事から始めて下さい。