前回まで内装の壁仕上げで壁紙(クロス)と塗壁(珪藻土・漆喰)のお話をさせて頂きました。
その他現在では金額的な面や法律の使用制限などで全体の壁仕上げとしては使用していないけれども一部の壁仕上げとして使用されている
壁材についてお話したいと思います。
①木製の壁材
住宅で木製の壁材は昔はよく使われておりましたが、現在では火気使用室(キッチン)とつながっている部屋に関しては内装制限という
建築基準法で定められた法律があり天井と壁を準不燃材料以上の不燃材料で仕上げないといけません。
緩和する規定もありますのでどうしても採用したい場合には検討する必要がありますが、金額的な面も含めて現在は採用されることが少なくなっています。
木製の仕上げ材ですと建築家に良く愛用されるシナ合板という表面の木目がとても柔らかくて明るく漆喰などの白い壁との相性が良い材料があります。
私もこの材料は好きなので木製の仕上げにしたい場合には検討しますが、逆に軽い印象がありますので重厚感がある仕上げにしたい場合は合わないので
シナ合板を使用する場合はどのような仕上りイメージなのかをしっかりと確認する事が必要です。
②タイルの壁材
タイルは耐火性があり水にも強いためキッチンや洗面室との相性が良くアクセントとして一部壁の仕上げで使用する事がほとんどだと思います。
キッチンではコンロ周りからシンク周りまでキッチンに面する部分に使用されます。
これはコンロ周りで油が飛んだり、シンクで洗い物した際に水跳ねなどで壁が汚れるためタイルのように拭き取れる素材が適しているからです。
キッチンは内側だけではなくダイニング側からの仕上げでもデザイン性の高いモザイクタイルを貼って仕上げる事もあります。
また洗面室でも洗面台周りに水跳ねのお手入れも兼ねてデザイン性の高いタイルを貼る事もあります。
最近ではエコカラットというデザイン性と調湿・消臭効果がある商品もあり、リビングや寝室の一部にアクセントとして使用したり、
調湿・消臭効果があるのでトイレの壁にデザインとして使用することもあります。
タイルに関してはいろいろな商品がありますので性能やデザイン性も含めて検討するのが良いと思います。
③塗装仕上げ
新築ではあまりありませんが、リフォームやリノベーションを行う際に壁の仕上げをペンキなどで塗装する事があります。
また素材そのものの質感を出したい場合にも塗装で仕上げる事があります。
DIYで施工しやすいためリノベーション物件でその物件を購入した方がホームセンターで塗料を購入して塗る事も多いです。
ただ注意して頂きたいのはペンキには水性や油性など様々な種類があり、化学物質を多く含んでいる塗料を使用すると体に影響がある場合が
ありますので使用する塗料選びには注意が必要です。
④紙クロスと塗装の組み合わせ
以前ご紹介しました紙クロスの種類でオガファーザーという商品があります。
これはドイツの新聞紙の再生紙と木の製材時にできるおがくずを使ってつくられた環境にやさしい壁紙です。
この紙クロスは塗装するための下地として生まれた素材で、自然健康塗料ののデュプロンという漆喰調水性塗料を使用するので、
漆喰を塗ったような仕上がりになります。
壁クロスの施工と塗装の工事がありますので費用は割高になる事と、下地を拾いやすいため下地の施工と下地処理が重要になります。
オガファーザーHP
このように住宅の壁仕上げと言っても実に様々な商品があります。
これから新しい家でどのような生活スタイルでどのように暮らしていくのか、ご自身のライフスタイルを考えながらご予算も含めて壁の仕上げを選択して頂ければと思います。
そしてその壁仕上げの選択に少しでもこのブログがお役に立てれば幸いです(^^