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屋根形状について②

 

前回からの続きです。

 

「方形(ほうぎょう)屋根」

基本形状は寄棟屋根と同じですが「方形」は建物の平面形状が真四角で4面の屋根が1点の頂点に集まる形状になります。

通常は棟(屋根の一番上部)の部分が水平になるためそこに棟換気という屋根の内部の空気を換気する部材と施工しますが

方形の場合はその棟の水平部分が取れないため専用の換気部材(見た目がごっつい)を設置するか、

換気能力はあまり良くないですが軒裏だけの換気で計算するようになります。

 

「陸(ろく)屋根」

斜めの屋根ではなくフラットな屋根形状。

住宅では基本的に建物に降った雨を排水するために勾配のある屋根を施工しますので基本的に陸屋根を採用する事は

ほとんどありませんが、一部1階の屋根など面積が小さい屋根の場合、バルコニーと同様に雨仕舞(FRP防水)の屋根を施工する事があります。

雨の排水の検討や落ち葉等の定期的なメンテナンスが必要となり、屋根材での施工よりもコストが上がります。

 

2回に渡って屋根形状のご説明をさせて頂きましたが、

この屋根形状を決める場合、外観のデザイン、斜線制限、太陽光パネルの設置など様々な要素によって決まってきます。

 

特に道路斜線制限や北側斜線制限など法的な制限が厳しい場合は自由に屋根形状をデザインする事ができませんので屋根形状及び外観デザインに拘りがある方は注意が必要です。

 

太陽光パネルを設置する場合は基本的に南面の屋根を大きくしてなるべく多くパネルを設置できるように検討しますので北側から南側に向かって屋根が下がる「片流れ屋根」になる事が多いです。

南側の屋根面が確保できる場合は「切妻屋根」でも可能になります。

 

斜線制限等も影響がなく、太陽光パネル等も設置しない場合はお好みの屋根形状にすることが可能です。

洋風デザイン、和風デザイン、モダンデザインなどお好みのデザインで設計する事ができます。

 

また「切妻屋根」と「寄棟屋根」を合わせた複合の屋根形状にすることも可能です。

屋根の納まりに問題がなければいろいろな組み合わせができます。

 

但し屋根形状が複雑になったり、片流れ屋根などのように外壁面積が増える形状ですとコストが上がりますので、予算を考慮しながら建物全体のバランス及び周辺環境への調和も考えてデザインする事が大切です。