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「ヒートショック」について

 

今年も1月に入ってかなり冷え込む日々が続くようになりました。

 

この冬本番の時期に増える室内での事故と言えば「ヒートショック」があります。

 

この「ヒートショック」というのは、暖かい場所から寒い場所へ移動した時に、急激な温度変化によって血圧が大きく変化する事で、

脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす健康障害です。

 

浴室内での転倒や浴槽で溺れてしまうなど命に関わる場合もありますので大変危険な症状になります。

 

2011年の調査で入浴中での事故で亡くなられてしまう方が約1万7千人という統計が出ています。

 

この入浴中の事故というのはいろいろな事例がありますが「ヒートショック」が原因の事故も多いため急激な温度変化に注意する必要があります。

 

家の中で特にこの「ヒートショック」が起こりやすいのが浴室、洗面室、トイレです。

 

浴室と洗面室はお風呂に入る時に温まったリビングから冷え切った洗面室で服を脱ぎ、浴室で暑い湯舟に浸かり、また冷え切った洗面室で着替える

という急激な温度変化が何度も訪れる場所になります。

 

この寒暖差によって血圧が上昇したり低下したりを繰り返して脳梗塞や心筋梗塞、不整脈などが起こる可能性が高まり、転倒や湯船で溺れてしまう

という事故を引き起こしてしまう可能性があるのです。

 

ここ数年でこの「ヒートショック」という言葉がだいぶ浸透するようになってきておりますが、特にご年配の方は昔から日本人特有の「我慢」や

「もったいない」という意識が残っている事が多く、寒くても我慢してしまう、暖房を付けるのがもったいないなどで温度差があってもそのまま

暮らしてしまう事が多いのではないかと思います。

 

しかし、上記でお話させて頂きました通り健康障害が起こるリスクがかなり高まりますので、これから冬本番を迎えるこの時期からしっかりと

対策をする事が大切だという事を多くの方に理解して頂きたいと思います。

 

そこで今からでもできるヒートショック対策をご紹介します。

 

①洗面室に暖房設備を設置してお風呂に入る前に洗面室を温めておく。

 

簡易的なストーブ(電気式など)でも良いと思います。 これは洗面室は服を脱ぐ場所ですので一番体に温度差が感じる場所になりますので、 

まずここで温まったリビングから移動した時に温度差がないようにしましょう。

 

②浴室に入る前にシャワーを出して浴室内を温めておく。 浴室内もかなり冷えている場合がありますのでシャワーをしばらく出しておくことで 

浴室内の温度を上げる効果があります。

 

③入浴時間を早める 夜遅くなればなるほど気温が下がります。

 

なるべく早い時間帯に入浴する事をを心掛ければ洗面室や浴室の気温も比較的下がらず暖房する際もエネルギーを押さえる事ができます。

 

このように今お住まいのお宅でも出来る対策があります。

 

ただあくまでも一時的な対策になりますので毎年同じ事を繰り返す事を考えると、できれば断熱改修を行って頂く事が良いと思います。

 

また当ブログでも前回ご紹介しました窓の断熱改修のみでも温度の違いがあると思いますので暖房器具の設置と合わせて是非実践してみて頂ければと思います。

 

自分は大丈夫という考えは捨てて頂いて、今から出来る事をしっかりと行なって、自分の命を、そして家族の命を守るという意識を持って対策を進めて頂きたいと思います。